講義レポート
第6期7月 第4回羽生祥子先生による特別講義
アマテラスアカデミア6期生、足立未央がレポートさせていただきます。
7月11日(水)は特別講師に羽生祥子さんをお迎えいたしました。
羽生さんは、株式会社羽生プロ代表取締役社長、著作家・メディアプロデューサー、そしてATAの特別顧問も務めてくださっている方です。
胸熱の1時間半をぎゅぎゅっと凝縮してお送りします。
<Introduction>
成長の源はマイノリティ、改革者はいつも異端児、少数派
AIが進出する世の中で私達に求められるものとは?
・AIにできない「物語力」
・数字を読む、データを分析する力
が必要。
羽生さんのお話はどれもデータ、数値に基づいたものばかりで、説得力が増すものになると感じました。
<羽生さんのご経歴>
大学卒業後、就職せずにパリに行ったこと、帰国後も正社員での雇用はなく、きっと当時の羽生さんは不安や焦燥感がおありだったと思います。
これを楽しいエピソードでお話しされる羽生さんのユーモアのセンスが、羽生さんの成功の秘訣ではないかと感じました。
29歳で正社員になり、編集長までの経緯、独立、どのお話も羽生さんのエネルギッシュで、常に前を向いて進んでいく姿が印象的でした。
ある程度上になると、何かをかけてやる仕事はなくなる、そこで次のステップに進むために独立されたという言葉が印象的でした。
羽生さんが現在携わっている、世界の女性企業家を育てる事業。大阪万博でもWomen’s pavilionとして出展予定です。
世界は ”Tokyo Market” に注目しているものの、このリーダーの中に残念ながら日本人女性は一人もいないのです!
言語の壁が大きいのでしょうか。
<人生100年時代、あなたは今何時?>
人生100年と言われる昨今、24時間に人生を置き換えると、1時間=4歳です。
36歳でまだ朝9時。
これは目から鱗。もう30代後半だから…とよく考えてしまいますが、全然、まだまだです。
ついでに〇歳で〇〇する、という目標を立てることが重要です。
<求められるものと時代による変化>
これからはどんな会社、人材が求められるのでしょうか。
振り返ってみると、
昭和は規模(売り上げ、人数など。)
平成は個人(これが〇〇ハラスメントを生む結果に。)
という変遷を経てきました。
令和は社会
これまでは、社会に向き合っても儲からないという考えでした。しかし、ここにビジネスメイクのチャンスがあると考えられています。
ここから、最近よく耳にする「〇〇ガチャ」へのお話に移っていきます。
<女性活躍の社会のヒント>
羽生さんの新刊「ダイバーシティー・女性活躍はなぜ進まない?」から、諸外国と日本のジェンダーギャップの比較、「性別ガチャ」の実態を学びました。
日本人女性は学歴はあるけれど、生涯賃金は男性に比べてずっと少ない、男性に比べて女性が家事に費やす時間は5倍(これは諸外国と比べても異常!!)という実態に衝撃を受けました。
これは、1970年~1980年代にかけて政府が掲げた「性別役割分業を基にした社会」の影響が根強く残っているためです。
(サザ〇さん、の世界観ですよね。アニメを否定する気は全くないです。私は好きで未だに見ています。)
その後、度々男女を平等に扱う法律の制定は行われましたが、まだまだ遅れているのが実情です。
日々社会で奮闘する、女性が感じる漠然と感じる生きづらさに納得がいきました。
ちなみに、日本では女子は文系、という考えがありますが、諸外国は違うそうです。
(私は女子高出身ですが、理系に進むのは1/4程度でした。)
諸外国は理系に占める女性の割合は50%を超えるそうです!!
とある大企業では、子供が生まれた後、パートナーの男性に対して、その女性が会社にとって重要な人であるかをお偉いさんから話をするという話が大変印象的でした。
人材が大事ということに大企業は気づいている。
続いて、男性組織で生き抜くコツを教えていただきました。
- まず主題、結論、提案から。
- 数字を使って説明する。
- 最初と最後はビックスマイル。
- 全フロアの〇〇を使う。(〇〇は皆さまのご想像にお任せします、そして、偉い人とお会いした時に、相手が興味を示す1分talkをすること。)
- 女性をネットワークを持っていることを可視化。
- 短い感動メールを送ること。
結局は愛が重要、という言葉が大変印象深かったです。
<多様性はパフォーマンスの向上につながる>
男性だけ<男女混合、日本人だけ<多国籍、となることでパフォーマンスの向上がみられるデータを見せていただきました。
・慣習を突破し、イノベーションを喚起
・画一的な組織に違う声を届ける勇気
・違う意見に耳を傾ける勇気
・物差しを変える組織
がパフォーマンスを向上するために必要と教えていただきました。
和を以て貴しとなす日本人的な考えは、ダイバーシティの世の中では改めていく必要がありそうですね。
<質疑応答と感想>
質疑応答は大変熱い時間でした。
6期生は士業が多く、多くが組織で生きる人です。
質問者の誰もが女性であるが故に組織で生きづらさを覚えたことがあり、どの質問も共感できるものばかりでした。
私達の目線に立って真剣に、かつ少しユーモアを交えて答えてくださる姿に、羽生さんの温かいお人柄を強く感じました。
何かに成功する人はエネルギッシュであること、また、諦めずに挑戦し続けることが重要だと学びました。
羽生さんファンと化し、ハブメール、Youtube、Xに登録をし、翌日の出張に行く移動中に早速、羽生さんの新刊を読んでおります。
人口減少の進む日本では、これまで以上に女性の社会進出が必須です。
私自身、「結婚・出産を契機に女性は家庭に入るもの」と社会に出るまで考えていました。というより、社会の風潮でしょうか。
もちろん、専業主婦を選ぶのも人生の一つの選択肢であり、その選択は尊重します。
ただ、そこに女性だから最初から諦める、ということがあってはいけない、と感じました。
私達ATA世代より少し人生の先輩の羽生さんが、女性の立場を変えるべく、政府や企業に働きかけてくださり、blue printから実践まで行ってくださったことは、私達にとってチャンスです。
羽生さんが築いてくださったものを当たり前のこととして具現化し、次の世代には「性別ガチャ」を感じさせないことが、私達に求められた課題だと感じました。
文責:足立 未央
第6期足立 未央