講義レポート
第4期6月 小林照子先生による講義『美容的な生き方』
後半は、小林照子先生による「美容的な生き方」を実演を交えながら学びました。
今回、ATA1期生から3期生、また4期の応募者も会場やオンラインで参加されました。
冒頭「人は歳を取っていく。それを理解しながら生きていくこと、皮膚との向き合い方を会得していくことが美容的な生き方」という照子先生の言葉から始まりました。
まず、照子先生がこれまでメイクを手がけた一般の方々のbefore&afterのスライドを見せていただきました。それぞれのお顔だけでなく、社会的地位やこれまでの生き方をメイクで表現していく様子が、とても分かりやすく伝わりました。
「綺麗になることとは、画一的なものではなく、その人らしさ、魅力を引き出していくこと。明るくなると、人は雄弁になる」
afterの写真では、皆さんが明るい表情になり、ご自身の変化に驚いた様子でした。
「若い頃に覚えたメイクをそのまま続けていくと古い印象になるため、その時代や空気感を取り入れる必要があること」
「欠点をカバーするために皮膚を厚く覆うことは、皮膚を酷使してしまう」
と、「なるほど!」の連続でした。
これらの解説をしていただいた後、いよいよ照子先生、フロムハンド学長の関野先生によるメイクの実演です。照子先生は、4期生の中からジャンケンで勝利した中野さんを担当し、関野先生は、最年少として選ばれた鈴木さんを担当されました。
まずは、クレンジングクリームを使った顔のマッサージを行います。顔のパーツごとにマッサージの手法が異なり、その手法と意味を細かく解説していただきました。
そして、照子先生が奨励されている「蒸活」です。蒸しタオルの蒸気と温度で皮膚を温めて、毛穴を開き、汚れを取り除きます。そこに先に化粧水ではなく、美容液を入れていくことで肌の乾燥を防ぎます。見ているだけでも気持ちよさそうで、モデル2人の肌に艶が増していく様子が少し離れた席からでもよく分かりました。
また、メイクされる側とする側の肌と肌を合わせるタッチケアは、お互いに肌のぬくもりを感じ、人間関係さえも改善すると教えていただきました。ケガをした時に「手当てをする」というのも、まさにそのことだと思います。
先生方は手を動かしながらも、メイクの説明やATA生の質問に詳しく答えてくださいました。
「人の顔、全身のコーディネートの色に合わせてアイシャドウの色を選ぶ」
「眉毛はとても大事。下降線はさみしい印象を。曲線は笑ってる、喜びを。上昇線は勝負に勝ちたい時」
毎日同じメイクをするのではなく、その日に合わせてメイクで表情をつくることを学びました。
メイク後のモデルの2人は、ご自身では普段選ばない色や手法で、鏡に映った様子に驚き、メイクだけでなく表情そのものが明るくなりました。
自分がその日をどのように過ごしたいか、どのような自分でいたいか。それを自分自身が選んで決めていく。私が属しているファッション業界にも通じるところで、どんな服を選び、どう過ごしたいかを自分で選ぶ楽しみがあります。それは時に一緒に過ごす相手への敬意でもあり、思いやりでもあるかもしれません。
「今日はどんな一日にしようか」と、考え、メイクや服を選ぶことは、とても贅沢で豊かなことだと思いました。
講義後、4期生で「蒸活」の報告をしながら、それぞれが生活に取り入れて過ごしています。次の講義で、1ヶ月の成果を報告し合うのが楽しみです。
ATA 4期 小熊 貴恵
小熊 貴恵
アパレルメーカー人事部採用課