講義レポート

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講義日:2024年4月8日

第6期4月 惠美初彦先生による第1回目講義

4月10日(水)第一回の後半は、立志教育の第一人者・惠美初彦先生の講義です。

6期の中丸がご報告します。

「立志教育」とは、江戸時代初期から存在していたもので、もともとは藩主の家などで代々受け継がれていたとのこと。今でも関西地方では、卒業式のことを「立志式」と呼び、一人一人目標を発表している学校もあるのだそうです。

惠美先生が立志教育をこころざしたきっかけは、図書室で本をたくさん読んだこと。さまざまなジャンルの本を読む中で、一番面白いと思ったのが「偉人の伝記」だったそうです。偉人たちの志を分析し、タイプ別に分類し…。そういった先生の探究心から、現在の立志教育プログラムは生まれました。

これから計8回の講義を通じて、私たち一人ひとりが自分の使命とは何かを考え、12月の立志式に向けて学びを深めていきます。

初回の講義では、議論の進め方の基本となる考え方「和談」について学ぶことから始まりました。

<討論ではなく、考えを深めていく「和談」>

あまり耳慣れない「和談」という言葉。ディベートや討論のように「AかBか」と対立するのではなく、気づいたことや情報を足しあうことで認識を深める対話形式のことをさします。みんなで意見を出し合い、途中で生まれた気づきを共有しあう「和談」は、自分自身を理解することにもつながり、内省も深まるとのこと。

教育に携わる私にとっても、「和談」の考え方は新鮮で、現場で実践したい!と思いました。

それぞれが違った専門を持つ15人の私たちが、これから「和談」を通してどんな気づきが得られるのか、とても楽しみです。

<6つの職志=代表的人生理念>

惠美先生が偉人たちの志から導き出した「職志=代表的人生理念」は、6つに分類されます。今回は、その6つの職志を読み、自分はこれだ!とピンとくるものを選んで発表しました。メンバーそれぞれが、自分の職志と現在の仕事を結びつけて発表していたのが印象的でした。

私が選んだ職志は、「真の平和への前進に貢献する」。文学好きが高じて国語の教員になった私ですが、今回、突き詰めて考えてみると、自分が人生を通して一番大切に思っていることは「平和」でした。文学を通じて視野を広げ、人と比較せず自分の中に軸を持てたら、争いは減るのではないか…。そんな思いが自分の中にあったことに気がつきました。

日々忙しく仕事をする中で、自分の一番大切な志を忘れかけてしまうこともありますが、「職志」をみんなの前で発表し合い、「いいね!」「素晴らしいね!」と認め合えたことで、仕事に対する誇りを一層強く持てたように思います。

最後には、惠美先生から課題をいただきました。内村鑑三の『代表的日本人』にも登場する5人の人物の生き方や言葉を学び、感想を発表するというものです。中型以上の辞書を引きながら読みましょう、というアドバイスもいただき、学生に戻ったような気持ちになりました。大人になっても、学ぶことはやっぱり楽しくワクワクしますね。

次回、メンバーの感想を聞くのがとっても楽しみです!

寄稿日:2024年4月30日
リポーター

中丸友恵