
講義レポート

第7期7月 小林照子先生による特別講義+メイク体験

「なりたい自分」になるために
前半の惠美先生の講義に続いて、後半は照子先生による『美容的な生き方』とメイクの実演の特別講義でした。美のパイオニアであり、多くの女性たちの人生を輝かせてこられた小林照子先生。御年90歳とは思えない、しなやかで芯のある佇まいに、教室全体が空気ごと温かくなるような感覚を覚えました。先生が最初におっしゃった言葉は、とてもシンプルで、それでいて心に深く残るものでした。
「私は、人の顔をきれいにすることで人生が変わることを知っているんです。」
美しくなることとは、その人の魅力を引き出していくこと。外見だけでなく、内面から輝くことで、人は前を向けるようになるということでした。

目の前の人を大切にすること
印象的だったのは、先生の仕事のスタンス。㈱コーセーで初の女性取締役となり、ザ・ベストメイキャップスクールの開校など35年の勤続を経て独立。その後もフロムハンドメイクアップアカデミーを創業し、技術や表面的な美しさだけでなく「心の在り方」や「人との接し方」を大切にしてこられた先生。
「人は、誰かと出会うことで変われるのよ」
目の前の人に真摯に向き合う。その積み重ねが、その人の人生を、そして社会を変えていく。照子先生から、講義の中でこんな問いの投げかけがありました。
「あなたは、どんな自分になりたいですか?」
“なりたい自分”は、最初からわかっている必要はない。けれども「こうなりたい」と願う心が、未来を少しずつ形づくっていく。だからこそ、目の前の人を大切にしながら、小さな一歩を積み重ねていくことが大切だということを教わりました。
―――その後、実際に、メイク実践タイムへ。
7期生の中から2名がメイクを体験しました。
美容において、「汚れを落とすこと」と「保湿」が最も大切だと先生。
クレンジングクリームでマッサージした後、蒸しタオルの蒸気と温度で皮膚を温め毛穴を開き、汚れを取り除く「蒸活」を実践。まるで一皮剥けたように、顔色がよく艶やかな肌になっていました。
その後、先生方によって、それぞれの個性を引き出した素晴らしいメイクが施されました。

メイクは、する側もされる側も、お互いに肌に触れあうことで幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されるとのことでした。
メイク完成後、自身の顔を見た2人は、今まで気づかなかった新たな自分の魅力を再発見したような様子。表情がパッと明るくなり、笑顔で多幸感に満ち溢れていました。
「誰かを幸せにしたい」と思う気持ち
私はこの講義を受けながら、「人を幸せにしたい」という
自分自身の軸にも触れたようにも思いました。
「こんな自分でいいのかな」
「誰かの役に立ちたいけど、どうすればいいかわからない」
もし、そう思っている方がいたら——。
小林照子先生の言葉を、そっと胸に置いてみてください。
「“なりたい自分”になっていいのよ。人はいつからでも変われるの」
美容とは、人として輝き、幸せを感じるための最も身近な“ケア”であり、
自分自身を撫でていたわって喜ばせることができる『自家発電』であるとのこと。
美容を行うことが、結果として、誰かを幸せにすることに繋がっていくのかもしれないと改めて感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

宮下 真衣子