講義レポート

講義日:2022年6月8日

第4期6月 惠美初彦先生による第3回目講義『成人要目概要および幼年要目』

夏に近づき空が薄明るい18時30分頃。見慣れてきた部屋に着くと、マスク越しに明るい声でメンバー同士が挨拶をし合い、席に着くと同時に隣のメンバーと話を始め、軽やかな笑いが部屋に響いていました。徐々に関係性の深まりを感じ、嬉しさを感じた第3回。
 

19時の講義開始までに、フロムハンド在籍のメイクアップアーティストの方々からメイクをしていただけます。私は初めてだったのですが、どんな風になりたいかなどの質問をしてくださいながらも、手は絶え間なく動き、あっという間に、私が体験してみたかった『艶肌』を作り上げてくださいました。しっとりとしているのに、厚くなく、艶がでることで、顔がキュッと小さく見え、まるで魔法のようでした。

 

 

惠美初彦先生による講義「成人要目概要および幼年要目」

 

第3回目の講義前半は30年間立志教育に携わってこられた惠美初彦先生の「成人要目概要および幼年要目」でした。

この要目は、江戸時代の会津藩で日常教化されていた、『童子訓』という八か条を参考に、先生が作成されたものです。先生の奥様がお子さんを授かられた時、教育に関して調べ、その後、ご自身での作成を始められたものです。大人として必要なことを分野に問わず、考え付かれたことを付箋に書き込み整理されたもので、お子さんたちが成人された今なお、改訂されながら、進化し続けられています。

 

成人要目概要は、大きく5つに分類されており、その分類の中も幾つかの項目に分かれています。そのひとつひとつの詳細を教えていただくことから講義は始まりました。5つの内約は実にシンプルで、お話をうかがい、考え込むような内容ではありません。分かりやすく幼年項目で使われている言葉ですと、嘘はついてはならない・卑怯なことをしてはならない、弱いものをいじめてはならないといった事です。ですが、シンプルであるからこそ、日々鍛錬しなければならなく、実は「できそうでできない」、己を律する必要性のあるものばかりです。もちろん法を犯すことはしていないものの、そういった大きなものでなく、日常の小さなことまで気を留めると、まだまだ…と鍛錬が足りないと感じました。

 

この要目は、江戸時代、明治維新期の逆境を克服する形で貢献した会津藩をご参考にされているので、私たちのように戦後に作られた教育では削除されている思想がある点にも言及され、「知る知らないで運命が違ってくる。」と話されていたことが印象に残りました。

そして、「どんなにも学問知識があったとしても、人格、そして真実を知る知恵が必要」とのお話に、正しいことを判断するための教養を身に付ける必要性を深く感じました。私たちの世代は、点数や偏差値などで評価されてきた方、また子どもにもそれを求める方も少なくありません。

有能であること、学問知識があることはもちろん素晴らしいことですが、その能力に人格が備わり、また、情報収集・精査する能力がなければ、時に「悪に転用される」恐れがあることを、先生は、核兵器を例に教えてくださいました。

 

成人要目は数値化ができない、まさに人間力が言語化されたものであり、今、人々に求められている非認知能力にも通ずると私は感じました。

先生のお話をうかがった後は、メンバーが感想を共有しました。「子どもに伝える前にまず私自身ができているだろうか」「躾は大事だけれど、押しつけにならないだろうか」という感想や自身の経験からの想いも語られました。先生は「親の免許がない。無免許運転である。」と笑いながらおっしゃりながら、押しつけではなく、メンバーの言葉を借りますと「人間の本質(怠惰)を分かったうえで、それに先手を打つ」ために、成人要目概要を優しい言葉にした幼年項目を日常に入れ込み、心に刻みこませることを諭してくださいました。

 

私たち人間は物とは違い、目的があって作られた物ではないため、己で日々どうやって生きるのかを考え、過ごしていかなければなりません。生きる目的は人それぞれではありますが、自分の使命を見出したいと思い、この場に集まった15名にとっては、使命を見出す手掛かりとして、そして、自己研鑽するためにも、この要目は目指すべき軸のひとつとなると思います。

 

育児は育自とも言われます。子どもたちに教えを伝えつつ、私自身も子どもたちから学び、試行錯誤をしながら、共に良質な人格を作り上げていきたいと思いました

 

ATA 4期  竹内なつみ

寄稿日:2022年6月18日
リポーター

竹内 なつみ