「なりたい自分」になるために 

前半の惠美先生の講義に続いて、後半は照子先生による『美容的な生き方』とメイクの実演の特別講義でした。美のパイオニアであり、多くの女性たちの人生を照らしてきた小林照子先生。御年90歳とは思えない、しなやかで芯のある佇まいに、教室全体が空気ごと温かくなるような感覚を覚えました。

先生が最初におっしゃった言葉は、とてもシンプルで、それでいて心に深く残るものでした。

「私は、人の顔をきれいにすることで人生が変わることを知っているんです。」

美しくなることで、人は前を向けるようになる。

それは見た目の変化だけでなく、“私は大丈夫だ”と思えるようになるという内面からの輝きでした。

目の前の人を大切にすること

印象的だったのは、先生の仕事のスタンス。㈱コーセーで初の女性取締役となり、ザ・ベストメイキャップスクールの開校など35年の勤続を経て独立。その後もフロムハンドメイクアップアカデミー創業し、そこでも、技術や表面的な美しさだけでなく「心の在り方」や「人との接し方」を大切にしてこられた先生。

「人は、誰かと出会うことで変われるのよ」

目の前の人に真摯に向き合う。その積み重ねが、その人の人生を、そして社会を変えていくのだと教えてくださいました。

「なりたい自分」になる方法

照子先生は、講義の中でこんな問いを投げかけました。

「あなたは、どんな自分になりたいですか？」

“なりたい自分”は、最初からわかっている必要はありません。

でも、「こうなりたい」と願う心が、未来を少しずつ形づくっていく。そのためには、目の前の人を大切にしながら、小さな一歩を積み重ねていくことが大切だと先生。

―――その後、実際に、メイク実践タイムへ。

7期生の中から２名がメイクを体験しました。

肌を衰えさせないために最も大切なのは「汚れを落とすこと」と「保湿」ということで、クレンジングマッサージから始まり、温かいタオルで顔を覆って汚れを拭き取り。一皮剥けたように顔色がよく艶やかな肌になり、リラックスした表情から一変。先生方のテクニックによって、2人それぞれの個性を引き出した素晴らしいメイクが施されました。

メイクは、する側もされる側も、お互いに肌に触れあうことで幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されるとのことでした。

メイク完成後、自分の顔をみた2人は今まで気づかなかった新たな自分の魅力を再発見したような様子で、多幸感に満ち溢れていました。

メイクひとつで、外見だけでなく内面からここまで変えることができるのかと、その奥の深さを感じました。

「誰かを幸せにしたい」と思うあなたへ

私はこの講義を受けながら、「人を幸せにしたい」という自分自身の軸に触れたようにも思いました。

「こんな自分でいいのかな」

「やりたいことがわからない」

「誰かの役に立ちたいけど、どうすればいいかわからない」

そう思っている方がいたら——。

小林照子先生の言葉を、そっと胸に置いてみてください。

「“なりたい自分”になっていいのよ。人はいつからでも変われるの」

美容は、人として輝き、幸せを感じるための最も身近な“ケア”であり、自分自身を撫でていたわって、喜ばせることができます。

自分を大切にすることこそが、未来のリーダーへの第一歩なのかも…。そんな学びの多い講義でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。